
7月2日に放送された『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)にゲスト出演した中村アンが明かした天海祐希とのエピソードが、日常の人間関係でもタメになるくらい素晴らしく、深い。
ある日、プライベートで洋服店を訪れた中村。入店した時にちょうど店を出ようとしていたのが天海だったそうだ。初対面だった2人は、互いに挨拶して一度はすれ違った。しかし中村の元に、天海から踵を返し駆け寄った。突然、距離をつめられたため中村は「どうしよう。怒られるのかな…」と身構えたそうだ。
しかし、天海は中村にとって予期せぬ言葉をかけた。まず「あなたのこと好きよ」と声をかけ、「でも、もっと自分に自信を持って。もうちょっと勉強して品のある言葉遣いをした方がいいんじゃない?」と続けてくれたことに中村は、天海が自分のことを考えてアドバイスをしてくれたことに強く胸を打たれたという。
恵まれたルックスに似合わず「自分には特徴がない」と自己評価し、がさつな言動をバラエティー番組で見せることも多い中村に、初対面ながらビシッと注意をした天海。
「他人へのアドバイスは、言い方を間違えると逆ギレされたり、その後の関係がぎくしゃくしたりする可能性もあるんですが、天海さんの場合はいいお手本といえます。まず第一声が大事。最初の言葉で相手に身構えられるか、あるいは聞きやすい雰囲気を漂わせるかで大きく異なります。天海さんは“好きよ”という言葉から入っていますが、基本的には相手を肯定することが前提なので正解です」
とコメントし、今回の天海の言動は、会社での部下や後輩、ママ友など対人関係において大いに役立つと指摘するのは人間関係コンサルタントの木村隆志氏だ。木村氏はさらに自分から歩み寄る姿勢も重要だが、芸能界では中村にとって大先輩にあたる天海のほうから駆け寄っているので、これも好感度大だと話す。
続けて木村氏は、「好感度の高い状態で、一言目が肯定なので、相手は心が開かれた状態になるんです。人間って、気分がいい時に入ってくる情報って、全部いいように聞こえますよね? 逆に調子悪い時に入ってくる情報って、好きな人に対しても嫌いになりやすいものです。だから中村さんは、“天海さんは私のためを思って言ってくれている”と思ったのでしょう」と、天海のようにシンプルなアドバイスは、相手の心にすっと入るという。
「最近の人は逆恨みを恐れ、自分を守るために、前置きが長くなって、本当に言いたいことがぼやけちゃう傾向があるんですが、天海さんは要点にしぼって堂々とアドバイスしています。こうしなさいという命令口調ではなく、心配というニュアンスや、そうしたらもっと素敵よという気持ちを含めると相手に伝わりやすいと思います」ともコメント。
しかし、これらはあくまで1対1の関係の中で有効で、肯定→指摘→フォローまでが1セット。情が厚く、思いやりと優しさがなければただのKYおばさんになってしまう。
誤解を恐れずに言う勇気だけでなく、相手に訴えかけなければいけない。「天海さんは言い方が洗練されています。宝塚という女性ばかりの世界で生きてきた彼女だからこその熟成されたアドバイスができるのでしょう」と木村氏は話した。